登場人物

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中垣克久: 
 東京芸術大学大学院彫刻専攻終了。1986年第1回ロダン大賞受賞。1988年イタリアに公費留学。「音楽彫刻」として親しまれるブロンズ作品は多くの美術館で収蔵・展示される。
 10年前から、社会状況に想を得た立体作品を制作。これらを自身では「社会彫刻」と呼ぶ。「事件」となったのはそれらの作品のひとつである。

 

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九条俳句市民応援団:
 「梅雨空に 九条守れの 女性デモ」の公民館報への掲載拒否を新聞報道で知った8人の市民を中心に、自然発生的に集合した人びとの自称である。
 「事件」発生以来、、問題句の掲載を求める俳句会員を支え、市民センター、公民館などでの集会、市教育委員会の傍聴・請願、市教委/生涯学習センターとの交渉など「地域的・社会的解決」を求めて、粘り強い活動を続ける。2015.6.25の提訴以降は、「九条」を守る運動とも連動してより広範な運動体となっている。

 

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マナビ・ムラタ: 
 ドイツ、ベルリンで画廊を運営する日系ドイツ人。オンラインで「都美術館事件」を知り、その背景にナチ時代につながる危険な予兆を感じ、中垣にコンタクト。問題作品の2か月に及ぶベルリン展示を実現。
 第2次大戦をドイツ兵士として戦った母方の祖父、日中戦争の日々を7巻の「日記」に綴った父方の祖父―「日記」は、皇軍の侵略の実態と暴虐の事実を冷静に伝える。
 戦後70年の今、日系ドイツ人としてアジア(人)とどう対するか、対面の基盤を模索するムラタの問いは、私たち日本人が歴史をどう記憶し、伝えるかの問いに重なる。

 

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グンター・デムニッヒ: 
 彫刻家。ベルリン市街の舗道で中垣が目にした数々の真鍮のプレート=「躓きの石」の作者である。「石」の表面には、ナチスによって強制収容されたユダヤ人とその家族の氏名、生/没年と地名が刻まれ、かつての住居の前の歩道に埋め込まれる。1992年、氏によってアートの運動として始められた。中垣との対談で「石」の発想と数々の妨害を超えて、周辺の国々にも広がる運動の経過が語られる。過去の戦争で犯された罪と歴史をどう捉え、向き合うか、責任をどう引き受けるか、芸術(家)は何ができるか―真摯な対話が展開される。