ミニ・シンポジウム開催にあたって

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「映画『ハトは泣いている』がつくりだすもの」ミニ・シンポジウム
 
<演出からのメッセージ>

 

本編は、できる限り市民団体、市民運動の方々の手による上映を、との強い希望に沿って、皆さまの協 力により、上映が実現し、積み重ねられてきました。
今回は、そうした皆様が一堂に会し、本編が それぞれの市民運動とどう交わり、どんな意味を持ったか、 そして映画(「ハト」に限らず)上映と市民運動の結び付きをより意義あるものにしていくには何ができる か、進行する状況と共に話し合いの場を提案するものです。

本編のふたつの事件—―その引き金が、今や流行語になった「忖度」によるものと両事件当事者と確認し、 撮影の了解を経て、自主制作をスタートしたのが 2014 年、夏。 このきっかけは、前年、公共放送での「イラク戦争 10 年」の番組制作にあります。「 10 年」を問う意味 は、米大統領の要請を受けた 2003 年、当時の小泉政権が憲法の規定を超え、完全武装の自衛隊を「特措法」 を以て、海外に「派遣」=派兵したことにあると理解。これを焦点に取材を進める段階で「上のほうが、 そこには触れないで…」と担当プロデューサーの屈託のないひと言—―メディアの疲弊は、既に始まってお り、締め付けの実感はあったが、制作現場に直結する担当者の ‴釘‴ は「忖度」の波及とテレビの限界を 思い知った「事件」でした。

この間の皆さまの活動の今、或いは、現場、はいかがでしょうか? いただいたアンケート、には「公の側の忖度」への気付き、「公平中立」への疑問、「表現の自由」への危 機感、「憲法・平和」の再考、状況への危惧と参加への戸惑いなど が真摯に綴られています-—―状況はどう 変わったのか、展望はどうか。

今回参加をお願いする「ミニ・シンポ」は、1. 映画の追った二つの事件とその当事者、それぞれの事件 後の経過と余波を報告、 2.皆さまからの映画上映(「ハト」以外でも)とそれに関連した活動報告、を 予定します。それぞれの主な内容は—―:
1. 事件当事者、その後の経過と余波
・中垣氏、「時代(とき)の肖像」その後の制作〜個展( 3 ヶ月間)開催予約が美術館からキャンセルに
・九条俳句裁判は、7 月 28 日で 12 回に及ぶ裁判が結審、今秋に判決の予定
・制作サイドからの上映経過とそこに反映する今の状況など
2. 上映団体からの報告 ・上映は、取り組んでいる活動/運動にどう役立った? どんな役割、or 効果を?
・アンケート、感想から得られたこと?
・映画上映の有効性、或いは、これからの可能性?
・本編(「ハト」)への批判、今後の上映への提言など

両事件と前後した特別秘密保護法、続く選挙報道でメディアに求められた「中立」、集団的自衛権行使に 関する閣議決定、安保関連法案強行採決、通信傍受法改正、「共謀罪」…
ひとは情報によって世界を知り、 理解するが、情報とそれを担うメディアの統制は止まず、加速しています。
映画が問う「表現の自由」とこれに関連する様々な自由、人権、これらを保障してきた憲法、その先の 平和への脅威の拡大。皆さまそれぞれの活動・運動を通して進行する状況をどう受け止め、どう対処する か—―本編上映を共通項として、今、これから、ひとりひとりの市民として、我々はどうつながり、何がで きるかを共に考え、話し合う場へのご案内です。
<2017 年 7 月 15 日 演出 松本>